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ドア製品まわりの様々なハウツウを掲載しています。

ドアのまめ知識

玄関ドアや窓を閉めきった状態で、換気扇を使用すると、強制的に室内の空気が室外に排出されると共に、同じ量の空気が玄関ドアや郵便投入口等のすき間などから室内に入り込もうとします。その時、枠や扉との接触部分を通り抜ける空気により、笛を吹くような音を出す場合があります。これを笛鳴り現象(風切り音)といいます。
また、強風時や高層マンションのように常時風が吹き抜ける場所等においても、換気扇を使用したときと同様に笛鳴り現象を起こすことがあります。このような現象は、気密性の高い住宅・構造と、自然現象のひとつでもあるため、完全になくすことはできませんが、居室の換気レジスターや窓、窓の換気小窓(窓に換気小窓がついている場合)を開け、空気の吸入口を確保していただくことで、音が静かになります。

24時間換気・換気扇・浴室換気などの換気設備を使用した場合、ドアが重くて開けにくいという現象が生じる場合があります。これは、住戸内の空気が排出されることで住戸内が負圧となり、住戸内外の圧力差によって扉が枠に押しつけられるためです。
このような場合は、居室の換気レジスターや窓、窓の換気小窓(窓に換気小窓がついている場合)を開け、排気に見合う吸気を確保していただくことで、住戸内外の圧力差が緩和され、ドアが開けやすくなります。

台風や強風雨時など、ドアの下部や枠と扉のすき間から雨水が浸入することがありますが、製品の不良ではありません。玄関は、屋根・庇等により通常の風雨を防げること、玄関の土間は居室と違い濡れることを想定しタイルなどで仕上げられています。よって玄関ドア等にはサッシと同等の水密性能は要求されていません。また、施錠機構は、サッシに採用されているような枠と扉を密着させて雨水浸入を防止する引き寄せ機構にはなっていません。台風時等、下枠部分にタオルなどをあて、雨水の吹き込みを防いでください。

一般的に玄関ドアは、断熱性を高めるよう室内外で熱を伝えにくい構造にしています。したがって、ドア表面に太陽の光が当たったり、室内外の温度差があったりした場合、ドア内外面に温度差が発生し、ドアに反りが発生する場合があります。この反りにより、扉と枠のすき間から光の漏れや、錠の施解錠がしにくくなる現象が発生しますが、内外の温度差が小さくなるとともに解消します。この反りにより、錠の施解錠がしにくい時は、取っ手をしっかり持ち、扉を閉め込んでから、操作してください。

ステンレスが腐食に対して強いのは、表面に保護被膜が形成されるからです。この被膜は空気中の酸素が触れている間は優れた耐食性を示す性質を持っています。そのため、ステンレスの表面が汚れてくると、酸素との接触が妨げられるので、錆が発生することがあります。したがって、ステンレスは決して「錆びない」ものではなく、「錆びにくい」金属と言えます。
ステンレスに錆が発生するのは、例えば次のような場合です。
 ・ハウスクリーニングの際、塩素系の洗剤がステンレス部品に付着した場合
 ・海岸沿いなどの住環境において、塩分が付着した場合
 ・大気中に浮遊する鉄分や有害ガス中の成分が付着した場合
その他、ステンレスの錆として「もらい錆」と言われるものがあります。例えば、鉄くぎの錆が表面に付着したり、土ぼこりの中に含まれる微細な鉄粉が雨水などによって錆びてこびりついたりすることで、あたかもステンレス自身が錆びたように見える現象です。ステンレスについた錆は、台所用クレンザーや市販のステンレス用清掃剤などで、こすり落としてください。この場合、表面にこすり傷がつくことは避けられません。また「もらい錆」が落ちない場合は、錆が進行してステンレス自身に錆が生じたものと考えられます。いったん発生した錆は落とすことが難しいので、日頃からこまめにお手入れをしてください。

ドアは、軽快な開閉ができるように、扉と枠の間にある程度のすき間を設ける構造となっており、完全に密着できるものとなっていません。これらのすき間は、円滑な開閉を考えて薄くて弾力性のあるタイト材やパッキング材で、できるだけふさぐようになっています。昆虫は一般的に、光に向かって飛来する他、扉と枠のすき間に入り込もうとする習性があります。これは、特に、10月、11月など寒さが感じられる時節や、3月、4月の春先の時節、朝晩の寒暖の差が大きい時節などに、外部の寒さから逃れるため、越冬のために、暖気が感じられる家屋に集まろうとする傾向があります。中でも、カメムシやてんとう虫等の這い回る甲虫(こうちゅう)は、少しでも暖かい方に向かって、わずかなすき間でも押し入ろうとする習性が強く、場合によっては、柔らかい材質のタイト材を押しのけて室内に侵入することもあります。したがって、このような習性を持つ昆虫の侵入を完全に食い止めることはできません。万一、虫が室内に侵入した場合の対応策は、次のとおりです。
 ・殺虫剤、駆虫剤による駆除をお願いします。カメムシ専用の薬剤もあります。
 ・特に、カメムシはうっかり触ると悪臭を出し、手の指に染みつくことがありますので、ガムテープの使用をおすすめします。

扉や枠に結露が発生した場合、床や壁の汚損防止と腐食防止のために、こまめに拭き取ってください。結露は、室内外の温度差が大きく、室内の湿度が高い場合に、自然現象として、季節を問わず発生します。したがって結露はドアの不具合ではありません。
室内の環境条件によっては、断熱性の高いドアを使用していても、結露が発生します。マンション等の玄関ドアは、熱を伝えやすい鋼製の防火ドアですので、枠や扉の回り、郵便受け周辺部は、特に結露が発生しやすくなります。むしろ、扉や枠に結露が生じることは、押し入れの中やタンスの裏側のような目に見えない部分に発生する結露よりも対処しやすいと言えます。
一般的には、秋・冬の季節は、暖房により結露が発生しやすく、インフルエンザ対策や乾燥防止のために、加湿器等をご使用の場合は、特に結露が発生しやすい状況になります。また、新築の家では、使用した木材などの建材に水分が多く含まれているため、冬の暖房時や乾燥しやすい時期に、その水分が放出しやすい室内環境になると、結露が発生しやすくなります。また、睡眠中に人の呼吸などにより、発散する水分が結露の原因になると言われています。
結露を完全になくすことはできませんが、できるだけ抑える方法として、次のようなことがあります。
 ・居室の換気をこまめに行い、水分を含んだ室内の空気を排出する
 ・室内で洗濯物を干さない
 ・ストーブの上でやかんの湯を沸かしたり、加湿器を使ったりしない

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